『新版MYSELF』より②

2013-02-03

1988年は初めて生の徳永英明さんに出会った年です。
その年のことが、
『新版 MYSELF』(1994年7月初版発行)にあります。
一部抜粋しました。

1988年のライブ

 '88年は徳永英明にとってライブに始まりライブに終わった年であった。初旬、“BIRDS”ツアーが年を越えて行なわれ、シングル「風のエオリア」、アルバム『DEAR』をリリース。そして4月22日には函館市民会館を皮切りに、“DEAR”ツアーが始まっている。ステージ上で彼が話すように“BIRDS”ツアーでは、徳永英明が何者で、どんな歌を歌っているかについて、ほとんどゼロの状態を想定しての構成だった。そして彼自身も、現在思っていること、今までのことを丁寧に話し、歌った。このころの彼は、ほとんど動くことをしなかったし、目を閉じたままにジッと思いを込めて歌うことも多かった。そこにはどうしても不安定な幼さが目立った。「輝きながら…」で、それまでとは比較にならないほど多くの人に知られようになった、それは戸惑いだったのかもしれない。それも今思うと懐かしい。
 続く“DEAR”ツアーでは、それまでの青さを意識的に排除して、もっと豊かな部分をアピールしようとしていた。それは、アルバム『DEAR』を説明していこうとするライブでもあった。
 毎回、ツアーのたびに、彼はその意味を自分なりに考え、その意識を最後まで持ち続けることで、ひとつのツアーを完結させ、自分の成長を確かめようとしているかのようだ。“DEAR”には、だから新しい徳永英明を見るクライマックスが何点かあった。
 ひとつは「セレブレイション」。それまでこれほどストレートに自分を表現できる曲はなかったのではないかと思う。“DEAR”から何度かの「セレブレイション」を耳にしているが、聞くたびに、感動してしまう。この曲は詞・曲ともに彼の作であることもあって、これからもずっと歌い続けられていくのではないかと思う。
 そして、もう1曲は、やはり「最後の言い訳」だろう。何といっても、このツアーで歌われ、やがてはシングルとしてリリースされることになったという。いわくつきの曲であり、ヒット曲が生まれる、本当の意味でのプロセス=見本を見たような気がした。
 かなりハードなツアーが終了すると、次には初の単独野外イベントが那須塩原、箱の森で“SINCERELY PARTY”と銘打って開かれた。天候も手伝ってかなりドラマティックな1日になったわけだが、ここで何よりもよかったのが、リラックスした彼自身だった。このコンサートで、もしかしたら徳永英明は自分らしいライブのやり方を見つけたのではないかと、本気で(僕は)思っている。もっともっとリラックスして徳永英明のユーモアや、あせりやうれしい気持ちで話し歌い走ること。それが観客に受け入れられ、そのことがライブを活性化する。広い、大きなスペースで歌うことに慣れたことの意味も大きい。ここで彼のコンサートは大きく変わることになった。
 そして秋には、シングル「最後の言い訳」の全国キャンペーンと平行しての学園祭ツアー。“最後の学園祭”と自ら決めつけることで、その意識の中で確実にコンサートを成功させる。
 そして、これらすべての集大成として2日間の武道館のコンサートが行なわれたわけである。そして今回、いくつかの彼からのプレゼントは、その冒険的な試みにある。そのライティングの派手さ、美しさ。衣装。現在コマーシャルで流れている新曲「Eolia For You」。「MELODY 」での純粋で心が洗われるような演出……。
 あくまでも徳永英明らしさを失わない武道館とは何なのか。彼はその瞬間の言葉を迷わずに口にしていた。
 「もしかしたら満席にならないかも、そんな不安も構わず、スタッフは僕の夢をかなえてくれました」
 武道館という大イベントをやってのけることには、たくさんの意味が含まれている。とくに、ひとつひとつのことに意味付けをし、大切にしていこうとする徳永英明にはなおさらのことだ。
 こんなふうに簡単に振り返るだけでも、その成長の跡をはっきり確認することができる彼のことだ。この武道館公演で得たものをまたひとつの成長として形にしてくれるだろう。
 より男らしく、力強くなっていこうとする'89年。この1年でどこまで大きくなってしまうのか……。

「最後の言い訳」は、当時ライブで一番心に響いた曲でした。
今でもこの曲を聴くと心は1988年にタイムスリップします。




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